Creative Stance

クリエイティブスタンス

手っ取り早く成長したいあなたに贈る
ナカムラ流クリエイティブスタンス

スキルアップの近道は、「スキル(技術)」と
「スタンス(姿勢)」を両方身につけること。
スキルを身につけるのは時間がかかりますが、
スタンスは自分を変えるだけです。
どちらかといえば社内教育観点となる「スタンス」は、
なかなか外部クリエイティブコンサルタントとしては
タッチしにくいものなのですが、
もし、私の若かりし頃と同じように
苦労されているのであれば、
ぜひ応援したいという思いを込めて、
ここでナカムラが考える、
成長を早めるクリエイティブスタンスを紹介してみます。
みなさんのお仕事が少しでも
楽しく・楽になりますようにー。

※クリエイティブに関する
重要な「スキル」は「クリエイティブ研修」

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1

相手の目線になる

商業クリエイティブである限り、動かしたいターゲットが
存在します。
ターゲットを動かすために必要な第一歩は、まずターゲットを理解すること。
理解する近道は、「相手の目線」で物事を考えようとすることです。
人はなかなか思っていること正直に口に出してくれません。
だからこそ、相手の深層心理をつかもうという姿勢を、
自ら持つことが大事です。
あなたがもし、「自分がこう思っているのだから、相手もそのはずだ」と思っているとしたら…ささ、今すぐに改めて、相手の目線で物事を考えるように努めてください。

2

「なぜか」を常に考える

直感で判断される領域であるクリエイティブ。
ですが、企画を提案したり、
上司・クライアントに承認を得る時などは、
論理的な説明を求められます。
この力を高める第一歩は「なぜか」を考えることです。
なぜこのデザインなのか、
なぜこの制作チームメンバーなのか、
なぜこの段取りなのか、などなど…
「なぜか」を3回繰り返し、自分なりの考えを明確にする。
さまざまなシーンにおける「なぜか」という答えは、持っていますか? 
「なんとなく〜」はNGです。

3

質はディテールの集まり

質が高いと評価を受けているクリエイティブは、
パッと見でステキ!と感じるものが多いのですが、
背景を探ると細部まで考え込まれているものです。
それを「センス」と片付けてしまうと、成功のメソッドが
成り立ちません。
大事なのは「細部まで考えつくす」こと。
この文章でいいのか、このデザインでいいのか、
この大きさ・形・色でいいのか…
頑張って、できるだけ細部まで考える。
「神は細部に宿る」。
訓練すれば「センス」は後から身につくものです。

4

一歩先をよむ

クリエイティブに価値をもたせるには、
まず「カスタマーニーズ」をつかみ、
そこに「新たな価値」を加えることだと思っています。
「生みの苦しみ」とはよく言ったもので、
その「価値」を生めるかどうかが一番のポイントあり、
だからこそ難しく、
クリエイティブ最大の壁とも言えるでしょう。
その「価値」は「発明」というより、
「工夫」や「見方を変える」「視点をずらす」に近く、
クリエイティブは、カスタマーが身近に感じられる方が強いと感じています。
そこでいうと、あまり「遠い将来」だと行き過ぎ、「現在」だともう古い。
カスタマーに共感してもらえる「一歩先」を意識する、
自分なりのさじ加減を身につけることが大事です。

5

段取り7割

クリエイティブの質を上げようとすると、
多くの時間を要します。
大幅な制作期間を持てればいいのですが、ほとんどケースで
「時間がない」。
そんな中で、質を左右するのは、
短期間でいかにスムーズに事を進めるかという
「段取り力」です。
私は、クリエイティブの質は、表現3割・段取り7割、
大半が段取りで決まってしまうと考えています。
しかし、段取り最優先とするのは本末転倒。
このバランスは永遠のテーマですが、
意識するとしないでは大違いです。

6

こだわりを持て。
ただし、視野を広く

クリエイティブに「1+1=2」のような正解はありません。
人が変わればアウトプットが変わる。
個性・オリジナリティが勝負の世界です。
よって「こだわり」はとても大事。
でも強すぎると世界を狭めます。
「こだわり」を持ちつつ、自分を成長させ、
可能性を広げるには、
自ら視野を広げようという意識が大事です。

7

時間は作らないとない

クリエイティブの質を上げようと、
「なぜか」「これでいいのか」と考えていくと、
思考のループにはまってしまい、ゴールを見失いがちです。
(私はよくハマります涙)
こんな状態ですから、いつも時間はありません。
そう、「時間は作らないとない」のです。
私のリーダー時代で一番多かったメンバーの言い訳が
「時間がない」です。
そんなこと、わかっているのです。
しつこいですが時間はないのです。
解決策は「時間をどう作るか」です。
「時間を作る」工夫をしないと、一生時間はありません。
さぁ、「時間がないんだ」ではなく、「どう時間を作ろう?」と考えましょう。

8

失敗は次に活かせ。
すると経験という財産になる

「なぜか」「これでいいのか」どれだけ考えても、
失敗するときは失敗します。
立てた仮説と実際の結果なんて、
ほとんどがあいません(私の場合)。
でも、失敗した理由がつかめれば、
それを避ける次の案を考えることができます。
この積み重ねが経験であり、
経験があるからこその判断をし、アクションをおこせるスキルが財産となるのです。
「失敗したら、その分だけ成長するはず」と信じて、
あまり落ち込まず気持ちを入れ替え、
また次に取り組みましょう。
(と自分にも言い聞かせる)

9

伝えたい事は伝わらないと思え

「相手の目線になる(no.1参照)」と努力をしても、
残念ながら相手にはなれません。
「私がここまで考えたから、相手もわかってくれるはず」
と思っていたら大間違い。
身近な友達の考えていることさえ全てはわからない。
伝えたいことなんて、なかなか伝わらないものなのです。
だったら、「相手の目線になる」努力をした上で、
「伝えたいことは伝わらない」と最初からとらえ、
「だからどうする?」と考えた方が手っ取り早い。
「120%伝える努力をして、伝わるのはやっと20%。
さぁ、これを上げるためにはどうする?」と
戦略的に考えましょう。

10

制限の中から
クリエイティブは生まれる

商業クリエイティブの場合、
ほとんどのケースで制約や制限が存在します。
中には納得いかない制限やルールも存在するでしょう。
「ちくしょう」と思いますが、これはもうあたりまえ。
であれば、「その制約・制限はなぜ存在するのか」という
背景をつかみ、
制限をうまく利用してしまう、という考え方をしてみるのは
どうでしょう?
制限は時として企画立案の背景・根拠ともなりうる。
真剣であればあるほど、
「ちくしょう」という気持ちが大きくなりますが、
それを乗り越え、制限をうまく使いこなして、
あなたなりのアイディアを生み出してしまいましょう。

11

全ての基本は「商品理解」

商業クリエイティブの場合、
多くのケースでそこに宣伝したい・認知度を上げたい
「商品」が存在するもの。
企画を生み出す根拠となる、「商品」に関する情報が
足りていないと、
良いアイディアが浮かびません。
商品特性だけでなく、
その利用者・消費者のパーソナル情報や価値観までつかむことが大事。
クリエイティブ表現を考える前に、
まず「商品」を理解しましょう。

12

最後は「強い意志」が勝つ

自分の考えたクリエイティブに対し、
論理的根拠を積み重ね、
自分なりの正解を導き出していくのですが、
「1+1=2」のような
正解のないクリエイティブにおいては、
結局のところ「正解」の考え方は人それぞれ。
突き詰めていけばいくほど、根拠比較ではもう結論がでない(大差がない、どちらも一理あり)という状態に陥ります。
自分の考えに賛同してもらえるかどうか、最後の最後で左右するのは「意志の強さ」。
つまり問われているのは、
そこまで「強い意志」が持てているかどうかです。
自分のクリエイティブに対する責任を持つ。
そこまで「強い意志」、持てていますか?

13

「好き」という気持ちを
作る方法を身につけよ

「好きこそものの上手なれ」とはよく言ったもの。
「好き」だからこそ追求し、「好き」だからこそ意志を持つ。
つまり、「好き」になった方が
自分のパフォーマンスが上がり、
質が上がりやすい、ということです。
だとしたら、自分がどうすると「好き」になるのか、
自分なりの「好き」「やりたい」という気持ちを生み出す手法を見つけた方がいい。
例えば、扱う商品を好きになる、一緒に仕事したい人と組む、取材対象を興味の持っている人にする、困っているカスタマーを詳しく知り自分の貢献心を掻き立てる〜などなど、工夫の余地はあるはずです。
モチベーションは上げられるものではなく、
自分で上げるもの。
どうすれば自分のモチベーションが上がるのか、
内的動機がつかめたら…こんなに強いことはありません。

14

「負」の時期をいかに過ごすかで
「正」の時期の質が決まる

どんな栄光も未来永劫は続きません。
残念ながら、結果が出ない、スランプに陥るなど、
「負」の時期は必ずやってきます。
だとしたら、「負」の時期をいかに過ごすかが
大事だと思うのです。
「負」の時期こそ、自分のプラスになることを
意志を持ってやりましょう。
「思い切って休む」「新たな経験をする」
「スキルアップに繋がる勉強をする」…なんでもよし。
決断し、日頃忙しくて取り組めないことに、あえて取り組んでみましょう。
またくるであろう「正」の時期は「負」の時期の過ごし方で質が決まると考えます。
また周りの人は「負」の時期のアクションを
よく見ているものです。
この「負」の時期のアクションが「正」を呼び寄せるのでは、と思っているのです。

15

感受性を高めよ

自分の意見を説明する力を高めるには、
まず自分の気持ちや考えを明確化しなければいけませんが、
それは、自分の気持ちの変化を起こすことから始まります。
(何も感じないんじゃ始まらない)
気持ちの変化を起こす第一歩は、「感受性」を高めること。
いろんなクリエイティブに積極的に接し、
好き・嫌い・面白い・わからない・イヤだ・やりたくない…
何かを感じているであろう自分の心の声に
耳を傾けてみましょう。
人は、社会人に出て、大人になればなるほど、
個人的感情を抑制する事を覚えます。
お仕事をする上では、それも大事。
それを認識した上で、
逆に「感受性」を鍛えることも意識しましょう。

16

他人は変えられない。
自分が変われ

クリエイティブの制作体制は、規模が大きくなればなるほど、
編集・ライター・カメラマン・デザイナーなど
プロフェッショナルが集まって分業で動きます。
協働作業をしていく中で
「あの人ってなんであんな言い方をするんだろう」
「あの人が動けばいのに」などと思うことはありませんか。
ですが、他人がどう言おうと人は変わらないものです。
はっきり申し上げると、他人が自分の思い通りに動く前提で考えている事自体がおこがましい。
他人が自分の思っている通りに動いてもらいたいなら、
他人に動いてもらえるように、
自ら働きかけなければいけません。
他人は変えられない。自分が変わるべきなのです。

17

リアクションは人一倍に

人は話をするとき、
リアクションをとってくれる人に向かって話す傾向があります。
よって、取材インタビューの際はもちろん、
人の話を聞く際には、
相手が安心して話せるように、リアクションを意識して起こしましょう。
何も難しいことではありません。
目を見て聞く、賛同してうなずく、びっくりしたら驚くなど、基本的なことでOKです。
きちんと話を聞いているよ、ということを態度に表すことで、
話し手は、話を聞いてくれていると安心し、
理解してくれている喜びが感じられ、
積極的に話してくれるようになります。
意識して態度に表してみましょう。

18

「慣れ」とは、
「経験」という名の財産であり、
「習慣」という名の怠慢である

新しい仕事をまかされた、新しい環境で働く、
新しいプロジェクトに参加するなど
新しい仕事をする際は大変ですよね。
大変なので、早く慣れようと努力する。
成長観点で考えると、この時点での成長率が
一番高いのではないでしょうか。
逆に考えると、慣れると楽になりますが、
習慣化すると工夫・努力が減り、結果怠慢となりがちです。
体験したことがある、知っているという視点では、
経験は貴重な財産ですが、
わかっている・慣れているからこそ努力を怠るという怠慢にもつながりやすい。
特にクリエイティブ制作において、すべての工程が
単なる習慣・作業になったら
終わりだと思うのです。これは要注意です。

19

筋を通す

クリエイティブ制作をする上で、一番嫌われるタイプが
「ブレる人」。
前言撤回する際に、
「上司に言われたから」「ダメ出しされたので」と
他責にしている発言、していませんか?
クリエイティブは十人十色。人によって違うからこそ、
自分の考えを確立させること、
それを理解してもうらうように働きかけることが大事です。
「間違うな」と言っているのではありません。
間違ったと思ったら、理由を伝えて改めればいいのです。
意志を持ち、約束を守り、逃げずに筋を通すこと。
間違ったら説明し、謝って改善策に取り組むこと。
それができれば、経験が浅くスキルがなくとも信頼は得られ、スタッフはついてきてくれると思います。

20

前向きなケンカはどんどんすべし

クリエイティブ制作体制の多くは、
編集者・カメラマン・デザイナーなど、
プロフェッショナルが集まった分業制。
担当業務の責任において、先輩後輩は関係ありません。
自分の業務領域から見て、
おかしい、なぜだろう、と思ったら、
どんどん聞くといいし、時としてぶつかることも必要。
前向きな意見のぶつけ合いは、
質を高めることにつながります。
ただし、必ず気をつけなければいけないのは「言い方」。
相手を敬い、教えていただくという敬意を示し、
丁寧な言い方を心がけてください。
余裕のあるベテランの大半は、
礼儀をもって懸命にぶつかってくる若手が好きです。

21

アウトプットの場数をふむ

企画案や、承認を得る際は、もちろん一発OKを狙いますが、
最初はなかなか承認を得られないもの。
一発OKをもらえるよう努力するのも、もちろん大事ですが、
それと同じようにアウトプットの場数を踏むことで成長すると考えるのも大事。
クリエイティブは、制作物が人前にさらされることになり、
社会的評価を受けることになります。
責任を感じ恐怖すら覚えることもありますが、
だからといってアウトプットの数を減らすのは本末転倒。
アウトプットすることで賞賛も批判も受け、
その内容を反映し、
次回はもっといい作品を生み出す、と割り切るもの大事です。
怖がらず、アウトプットをする機会を自ら取りにいき、
回を重ねることで自己成長に繋げましょう。

22

長所と短所は表裏一体

人と協働すると、
時として困ったり、迷惑を被るケースも発生します。
すると、人の悪いところばかり目につきやすくなりませんか。
私は、イヤな人と仕事をすると自分が苦しくなるので、
なるべく強み弱みを両方とらえ、
好き・嫌いという感情論でなく、
その人の特性として理解する努力をします。
例えば私の場合は、
自分の意志を確立してから動くタイプなので、
長所は「意志が固い」「ブレない」、
短所は「頑固者」という評価をされやすい。
つまり、人の短所と長所は表裏一体。
性格は、シーンによって長所にも短所にも
なりうるということです。
短所がみえれば、反対側の長所もあるはずです。
いいところがあまり見えない場合は、
短所の半面である長所を探してください。
人との協働をしていく際のこの姿勢は、
とても役立つと実感しています。

23

人は楽しくないと動かない

もしあなたが「発注者」になったら、
経験・スキル関係なく、
責任者としてリーダーシップを発揮し、
スタッフのパフォーマンスを上げる努力をしなくては
いけません。
その第一歩は「楽しさ」を感じてもらうこと。
業務上の「楽しさ」とは、
達成感・満足感・貢献感・納得感などが感じられ、
自己肯定ができる状態のことだと考えます。
プロフェッショナルが集まり分業で進める
クリエイティブ制作だからこそ、
各々の領域を理解し、「楽しさ」を感じられる環境を
作ることが、
真のリーダーではないでしょうか。
「一緒に仕事をしたい」と思ってもらうポイントとして、「楽しさ」を意識してみましょう。

24

熱さは魅力。方向を間違うと迷惑

私は、仕事に「熱い」人が好きです。
一生懸命に取り組む姿勢は、人を魅力的にうつします。
自分もどちらかというと「熱い」タイプ。
でも、わかっているのです。
この「熱さ」は、ややもすると
「しつこい」「くどい」ともなりうることを。
自分のクリエイティブに責任を持ち、強い意志で邁進する。
ただし、方向があっていれば賛同を得られますが、
方向が間違うと迷惑なだけ。
お互い気をつけましょう笑。

25

自分の直感力を信じろ!高めろ!

クリエイティブに携わる人の多くが、
「直感力」に長けていると感じます。
ですが経験を積めば積むほど、
論理的思考や論理的説明を求められることが増え、
苦しむこともあるでしょう。
「論理的思考から生まれたものは、大概つまらない」
時としてそう割り切って、
自分の「直感力」を信じてみるのはどうでしょう。
多くのケースで、
直感的に生み出したもの、判断したものが正解です。
承諾を得るための論理的な思考・説明は
後付けでもOKですし、
効力を発揮するのは検証的観点においてです。
判断に迷ったり、これで完成としていいのかと
多々悩むでしょうが、
最後は自分の「直感力」を信じてダイジョブ。
逆に「直感力」は、否定せずに高める努力をしてください。

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